二次小説とかオリ小説とか。
銀魂の二次小説とかオリ小説とか書いていくつもりですー
よろしくー
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にているふたりは。 13話
それからの部活は、身が入るなんて物じゃなかった。
監督にはばれてるらしいけど、何も言ってこなかった。
「…主将、一緒に帰りませんか?」
「おお、黒子か。いいよ、…ちょっと待てな。」
書いていた日誌をしまうと、部室の鍵を閉めた。
てか、俺三十分以上書いてたよな。待ってたんかこいつ。
「あ。そっか火神今日からアメリカか。」
「はい、友達が急用だとかで。」
そのまま何か話す訳でもなく、校門をくぐる。何となく一対一でこいつと話すのは慣れてない。…つーか、苦手。
「主将。」
ふと、黒子が口を開く。
「こないだの試合。…すみませんでした、役立たずで。」
「またかお前。黒子だけの責任じゃないって監督も言ってたろ。もういいって」
「良くないんです。そのせいで主将がこの頃落ち込んでるんだとしたら僕…」
「それは試合の事じゃねぇって!関係ねぇだろが!!」
あ。言っちまった、俺。
「ごめん、気にすんな。つか忘れて。」
「やっぱり。」
してやったり、とばかりににやりと笑う黒子。
「…は?」
「主将最近元気ないです。何かありましたか?」
「だから何もねーっつの」
「そうですか。 …じゃあ仕方ないですね。」
こいつ、何考えてるかホント読めない。緑間の気持ちがちょっとわかる。
「そんなに我慢して、自分を痛めつけて、どうするつもりですか?こんな事を伊月先輩は喜ばないと思いますよ。」
黒子。お前って奴は。
「~~っ。…知ってんなら聞くなよオイ」
「いえ。…良かったです、察しが付くようなら心配はないようです。」
「お前馬鹿にしてるだろ。」
「主将はみんなの主将ですから。」
「答えろよお前」
間。
「今日は失礼しました。ありがとうございました。」
「あー、うん。何か、…ありがとな。」
「いえ、どうってことないです。
――それに、僕は楽しくバスケしてる主将が大好きですから。」
「……、伊月?」
こいつは知ってるんだろうか。
『俺は楽しくバスケしてる日向、大好きだから。』だからやめんなよ、って。微笑うあいつを。
「すみません、僕は伊月先輩にはなれません。嫁、いますし」
目の前には無垢な笑顔があった。
こりゃ知る訳ねーか。そう信じたい。
「…うん、ごめんな。」
「はい。では、僕はここで」
「おー、じゃな。また明日。」
見えなくなるまで、後ろ姿を見送る。
どうしてもあいつと重ねてしまうようで。
あの日も、こうして見送った。
「………だぁほ……、ッッ」
何やってんだか俺は。
監督にはばれてるらしいけど、何も言ってこなかった。
「…主将、一緒に帰りませんか?」
「おお、黒子か。いいよ、…ちょっと待てな。」
書いていた日誌をしまうと、部室の鍵を閉めた。
てか、俺三十分以上書いてたよな。待ってたんかこいつ。
「あ。そっか火神今日からアメリカか。」
「はい、友達が急用だとかで。」
そのまま何か話す訳でもなく、校門をくぐる。何となく一対一でこいつと話すのは慣れてない。…つーか、苦手。
「主将。」
ふと、黒子が口を開く。
「こないだの試合。…すみませんでした、役立たずで。」
「またかお前。黒子だけの責任じゃないって監督も言ってたろ。もういいって」
「良くないんです。そのせいで主将がこの頃落ち込んでるんだとしたら僕…」
「それは試合の事じゃねぇって!関係ねぇだろが!!」
あ。言っちまった、俺。
「ごめん、気にすんな。つか忘れて。」
「やっぱり。」
してやったり、とばかりににやりと笑う黒子。
「…は?」
「主将最近元気ないです。何かありましたか?」
「だから何もねーっつの」
「そうですか。 …じゃあ仕方ないですね。」
こいつ、何考えてるかホント読めない。緑間の気持ちがちょっとわかる。
「そんなに我慢して、自分を痛めつけて、どうするつもりですか?こんな事を伊月先輩は喜ばないと思いますよ。」
黒子。お前って奴は。
「~~っ。…知ってんなら聞くなよオイ」
「いえ。…良かったです、察しが付くようなら心配はないようです。」
「お前馬鹿にしてるだろ。」
「主将はみんなの主将ですから。」
「答えろよお前」
間。
「今日は失礼しました。ありがとうございました。」
「あー、うん。何か、…ありがとな。」
「いえ、どうってことないです。
――それに、僕は楽しくバスケしてる主将が大好きですから。」
「……、伊月?」
こいつは知ってるんだろうか。
『俺は楽しくバスケしてる日向、大好きだから。』だからやめんなよ、って。微笑うあいつを。
「すみません、僕は伊月先輩にはなれません。嫁、いますし」
目の前には無垢な笑顔があった。
こりゃ知る訳ねーか。そう信じたい。
「…うん、ごめんな。」
「はい。では、僕はここで」
「おー、じゃな。また明日。」
見えなくなるまで、後ろ姿を見送る。
どうしてもあいつと重ねてしまうようで。
あの日も、こうして見送った。
「………だぁほ……、ッッ」
何やってんだか俺は。
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にているふたりは。 12話
伊月は家に帰ると考えた。
そして、電話をかけた。
「…もしもし。」
「…あ、さっきはスイマセン。さっさと帰っちゃって。」
「うん。てか俺の方が奢ってもらっちゃってごめんな。」
「いや、だいじょぶッスよ。…で、どうかしたんスか?」
「あの、さ。さっきのことなんだけど。」
「俺は本気ッスよ。返事ならいつでも」
「だから、早く言っておこうと思って。」
「…ごめんな?俺、諦め悪い方なんだわ。気づかれた以上黄瀬に会うのも辛いしもう――」
「……でスか。」
「黄瀬?」
「何でスか。なんで。どうしていつも俺を置いて行くんスか。俺は傍にいたかっただけなのに。笑顔が見たかっただけなのに。何で、何であなたも一人になろうとするの…っ」
「黄瀬、ごめん、黄瀬、黄瀬。」
電話を切る。
黄瀬は思う。この人も名前を呼んでくれない、と。
声をかけるくせに、こちらを振り向いてもくれない。ならいっそ声だってかけないで欲しかった。そうであるならどれだけ傷つかずにすんだのだろう、と。
電話が切れた。
伊月は気づいていた。黄瀬は自分を好いているのではない、と。
自分と過去の人間を重ねて、混乱しているのだ。おそらくは黒子と。自分は黒子になれないし、なれたとして黄瀬を愛してやれる自信がない。否、寧ろそんな権利がないと言うべきか。なまじ同じような感情を持っているからこそしてやれることがあるかもしれない、などと考えていた。
しかし、それであっていたのだろうか?
自分は、伊月は、そう在るべきだろうか。
自分は、黄瀬は、それで幸せなのだろうか。
そして、電話をかけた。
「…もしもし。」
「…あ、さっきはスイマセン。さっさと帰っちゃって。」
「うん。てか俺の方が奢ってもらっちゃってごめんな。」
「いや、だいじょぶッスよ。…で、どうかしたんスか?」
「あの、さ。さっきのことなんだけど。」
「俺は本気ッスよ。返事ならいつでも」
「だから、早く言っておこうと思って。」
「…ごめんな?俺、諦め悪い方なんだわ。気づかれた以上黄瀬に会うのも辛いしもう――」
「……でスか。」
「黄瀬?」
「何でスか。なんで。どうしていつも俺を置いて行くんスか。俺は傍にいたかっただけなのに。笑顔が見たかっただけなのに。何で、何であなたも一人になろうとするの…っ」
「黄瀬、ごめん、黄瀬、黄瀬。」
電話を切る。
黄瀬は思う。この人も名前を呼んでくれない、と。
声をかけるくせに、こちらを振り向いてもくれない。ならいっそ声だってかけないで欲しかった。そうであるならどれだけ傷つかずにすんだのだろう、と。
電話が切れた。
伊月は気づいていた。黄瀬は自分を好いているのではない、と。
自分と過去の人間を重ねて、混乱しているのだ。おそらくは黒子と。自分は黒子になれないし、なれたとして黄瀬を愛してやれる自信がない。否、寧ろそんな権利がないと言うべきか。なまじ同じような感情を持っているからこそしてやれることがあるかもしれない、などと考えていた。
しかし、それであっていたのだろうか?
自分は、伊月は、そう在るべきだろうか。
自分は、黄瀬は、それで幸せなのだろうか。
にているふたりは。 11話
伊月は、指定された場所に待ち合わせの三十分前には着いていた。
家にいてもどうにも落ち着かなくなって、仕方がないので出てきてしまったと言う具合だ。だが着いてからもそわそわと心の内は穏やかでないようである。
四十分後。
黄瀬がやってきた。
「すんませんッス~!撮影が長引いちゃって」
「あ、うん。俺も今来たとこだし。」
黄瀬がじゃあ入りますか、と言って店内へはいる。
「ここ、以外に穴場なんスよ。パフェが美味しくって」
「ふーん、じゃ、頼んでみるわ。」
「んじゃ俺はアイスティーで」
「ぁ、意外。ミネラルウォーターじゃないんだ。」
「まっさか~」
なんて、いつも通りの会話があり、伊月は内心ホッとしていた。
しかしそれもつかの間のことだった。
品物が出てきた頃だ、空気が変わったのは。
黄瀬はこれまでと全く違う緊張した面持ちになった。
それまでのゆるんだ表情もそこらの女子から見れば天使なのだろうが、この顔はさすがモデルと言えるような整った顔立ちだった。
すう、と少しだけ息を吸い込み、黄瀬は言った。
「伊月さん、…好きですよね。」
確信した語尾だった。
「何が。」
「バスケと、それと、…日向さん。」
「お前、何言ってるんだ?俺はもうバスケできないしあいつも…」
「嘘。嘘でしょう?
俺、あの日からずっと考えてたんスよ。日向さんと会った日から。
伊月さんがどうしてあんなにあの人を拒絶しているのか。あなたは人を好き嫌いであんなに他人を拒むとは思えない。それも元相棒だったような人に対しては。
俺はあなたのあんなに冷たい声を聞いたことはなかった。ましてや目を見ずに話すところなんて想像も付かなかった。いつも無表情なようでよく笑って、冷静に温かく気遣いをしてくれる人だから。
だからこれは嫌いなんじゃない、好きなんだと思ったんスよ。
そして同時に、伊月さんが苦しんでることにも気づいた。」
「…で、何。それだけ?俺が日向を好きだったとして、何かあるわけ」
「まあ、直接は無いんスけど」
「じゃあ関係ないだろ、ほっとけ」
「でもこれがほっとけないんスよ。」
もう一度笑顔で息を吸うと黄瀬は言った。
「俺、伊月さんのこと好きみたいなんスわ。
だから、あなたが苦しんでるのは見てられないだけなんスけど、まあそれだけッス。」
それだけ言うと、伝票を持って席を立っていった。
数分後に、伊月も。
家にいてもどうにも落ち着かなくなって、仕方がないので出てきてしまったと言う具合だ。だが着いてからもそわそわと心の内は穏やかでないようである。
四十分後。
黄瀬がやってきた。
「すんませんッス~!撮影が長引いちゃって」
「あ、うん。俺も今来たとこだし。」
黄瀬がじゃあ入りますか、と言って店内へはいる。
「ここ、以外に穴場なんスよ。パフェが美味しくって」
「ふーん、じゃ、頼んでみるわ。」
「んじゃ俺はアイスティーで」
「ぁ、意外。ミネラルウォーターじゃないんだ。」
「まっさか~」
なんて、いつも通りの会話があり、伊月は内心ホッとしていた。
しかしそれもつかの間のことだった。
品物が出てきた頃だ、空気が変わったのは。
黄瀬はこれまでと全く違う緊張した面持ちになった。
それまでのゆるんだ表情もそこらの女子から見れば天使なのだろうが、この顔はさすがモデルと言えるような整った顔立ちだった。
すう、と少しだけ息を吸い込み、黄瀬は言った。
「伊月さん、…好きですよね。」
確信した語尾だった。
「何が。」
「バスケと、それと、…日向さん。」
「お前、何言ってるんだ?俺はもうバスケできないしあいつも…」
「嘘。嘘でしょう?
俺、あの日からずっと考えてたんスよ。日向さんと会った日から。
伊月さんがどうしてあんなにあの人を拒絶しているのか。あなたは人を好き嫌いであんなに他人を拒むとは思えない。それも元相棒だったような人に対しては。
俺はあなたのあんなに冷たい声を聞いたことはなかった。ましてや目を見ずに話すところなんて想像も付かなかった。いつも無表情なようでよく笑って、冷静に温かく気遣いをしてくれる人だから。
だからこれは嫌いなんじゃない、好きなんだと思ったんスよ。
そして同時に、伊月さんが苦しんでることにも気づいた。」
「…で、何。それだけ?俺が日向を好きだったとして、何かあるわけ」
「まあ、直接は無いんスけど」
「じゃあ関係ないだろ、ほっとけ」
「でもこれがほっとけないんスよ。」
もう一度笑顔で息を吸うと黄瀬は言った。
「俺、伊月さんのこと好きみたいなんスわ。
だから、あなたが苦しんでるのは見てられないだけなんスけど、まあそれだけッス。」
それだけ言うと、伝票を持って席を立っていった。
数分後に、伊月も。
にているふたりは。 10話
数日、部屋に閉じこもっていた。
ふとよ夜中に目が覚めて、何気なし携帯を開くとメールが来ていた。
誰だろう、連絡を寄こす奴なんていなかったはず。
ディスプレイを確認してみると、最近連絡先を交換したばかりの黄瀬涼太だった。
交換したはいいが、毎日ウチに通っていたので連絡が入るのはこれが初めてだ。ここのところは会っていないけど。
忙しいのかな、あいつ。来るなって言ってもしっぽ振って来そうなのに。
いや、これは自惚れか。俺がそんなに気にされてるはずもないよな。
うだうだ考えつつ、メールを開いた。
『___________
遅くにすいません><
先輩明日暇ッスか?でき
れば話したいんスけど』
内容は短いもので、こんな感じだった。
暇も何も、することが無くて引きこもってるくらいだ。
そこから何だか眠れなくなって、朝まで起きていた。
ふとよ夜中に目が覚めて、何気なし携帯を開くとメールが来ていた。
誰だろう、連絡を寄こす奴なんていなかったはず。
ディスプレイを確認してみると、最近連絡先を交換したばかりの黄瀬涼太だった。
交換したはいいが、毎日ウチに通っていたので連絡が入るのはこれが初めてだ。ここのところは会っていないけど。
忙しいのかな、あいつ。来るなって言ってもしっぽ振って来そうなのに。
いや、これは自惚れか。俺がそんなに気にされてるはずもないよな。
うだうだ考えつつ、メールを開いた。
『___________
遅くにすいません><
先輩明日暇ッスか?でき
れば話したいんスけど』
内容は短いもので、こんな感じだった。
暇も何も、することが無くて引きこもってるくらいだ。
そこから何だか眠れなくなって、朝まで起きていた。
にているふたりは。 9話
言葉がでなかった。
最初は驚いて、それから絶望して、最後には呆れて。
それ程までにあの子とあの人は似ていた。
俯き加減な横顔が特に。
あの子はよく言った。
「よかったですね」、と。
全然よかったような顔をせずに言うものだから、こちらは不安でたまらなかった。
「そっか、よかった。」と、あの人も言った。
いつかのあの子の横顔が鮮明に甦る。
表面では無表情を装いながら、歯がゆい自分に爪を立て、ひとり唇を噛むのだ。
そうやって自分で自分を苦しめて、我慢できずに倒れてしまうのだ。
あの時、俺は何もできなかった。
チームから離れるほどに思い詰めていたあの子に何もしてやれなかった。
それどころじゃない。
あの子に迷惑ばかりかけていた。
違うとわかっていてもどうしても重ねてしまう。
痛いほどにわかる、苦しみ。
でもあの子は、あの人はもっと痛く苦しいのだと考えると涙を流すしか術を知らない自分に腹が立った。
もう二度とあんな思いはしたくない。
親しい人をあんな目に遭わせる訳にはいかない。
だから。
最初は驚いて、それから絶望して、最後には呆れて。
それ程までにあの子とあの人は似ていた。
俯き加減な横顔が特に。
あの子はよく言った。
「よかったですね」、と。
全然よかったような顔をせずに言うものだから、こちらは不安でたまらなかった。
「そっか、よかった。」と、あの人も言った。
いつかのあの子の横顔が鮮明に甦る。
表面では無表情を装いながら、歯がゆい自分に爪を立て、ひとり唇を噛むのだ。
そうやって自分で自分を苦しめて、我慢できずに倒れてしまうのだ。
あの時、俺は何もできなかった。
チームから離れるほどに思い詰めていたあの子に何もしてやれなかった。
それどころじゃない。
あの子に迷惑ばかりかけていた。
違うとわかっていてもどうしても重ねてしまう。
痛いほどにわかる、苦しみ。
でもあの子は、あの人はもっと痛く苦しいのだと考えると涙を流すしか術を知らない自分に腹が立った。
もう二度とあんな思いはしたくない。
親しい人をあんな目に遭わせる訳にはいかない。
だから。
(09/23)
(09/23)
(09/23)
(09/23)
(09/23)
HN:
らり@
性別:
非公開
(04/10)
(04/11)
(04/22)
(04/22)
(04/22)